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家紋の話あれこれ2010年


23.お正月と家紋


前回、秋の話題で書き始めたにもかかわらず、アップロードしたころには、完全に冬の寒さでした。


そこで、今回は少し早めに、お正月の話で書きたいと思います。


我が家では、毎年、年末に親戚が集まり、餅つきをします。

我が家で使用する杵は、木槌のお化けのような形ですが、家紋にあるのは、兎が月で使っているような「手杵」と呼ばれるタイプです。

今でこそ、滅多に見かけませんが、昔は、餅以外に、あらゆる穀物をつき砕くのに使われる、農家の必需品でした。

紋帳には、5〜6種類の杵紋が記載されています。
      三つ並び杵

お正月に絡めた、家紋の話を書こうと、あれこれ紋帳を眺めていたのですが、上記の「杵紋」以外は、不思議と珍しい家紋ばかりとなりました。


なにやら、コジツケッポイものもあるかもしれませんが、広い心で、受け止めてください。


お正月には、玄関や神棚に「注連縄(しめなわ)」を飾ります。

「注連縄紋」は、紋帳には記載されていませんが、千鹿野茂先生の「日本家紋総鑑」に4種類、紹介されています。

家紋として使用されたのは、比較的新しい時代で、主に神官など、神社に関わりのある人が、使用したようです。
   輪注連縄(わしめなわ)
年が明けると我が家でも、近くのお宮に、「初詣」に出かけます。

不信心でグウタラな私は、「寒いからイヤダヨ」と抵抗するのですが、子供たちに無理やり、引っ張り出されます。

こういう機会でなければ、夜中に外に出られる事など、ないからでしょう。

仕方なく連れていくのですが、暖かい「お神酒」を振舞われると、とてもハッピーになります。
      玉垣鳥居
「船紋」は数種類、紋帳に記載されています。

家紋としての歴史は古く、もとは海事関係者が使用したものだったようですが、「名和氏」が「後醍醐天皇」から下賜されたり、戦国時代は「長曾我部氏」が使用したりしいます。

この「宝船」は、松を積んでいますが、何かいかにも「お宝っぽいもの」を積んだ「宝船」の紋もあります。
       宝船
「獅子頭」は、動物としての「獅子紋」ではありません。

お正月などにまわってくる「獅子舞」の頭部を家紋にしたものです。


「獅子頭」は悪霊払いに用いられる、大変神聖なものとして、扱われました。

リアルな図案な為、かえってどこかユーモラスな雰囲気が、私は好きです。
     獅子頭
お正月の遊びのひとつ、「羽根つき」。

私も子供の頃やりましたが、「負けると顔に墨を塗られる」というルールは採用されませんでした。

きっと親たちが、服が汚れるのを嫌って、禁止したのでしょう。
今でも、「昔やっておきたかった事」の一つで、少し残念な気がします。

「羽根つき」は、室町時代に流行した、という記録があるほど歴史のある遊びです。
    違い羽子板
一説には、「羽根つき」はもともと勝敗を争う競技ではなく、羽根をトンボに見立て、病気を媒介する虫を退治するために、お互いの無病息災を祈りながら、長く打ち続ける(空中に飛ばせておく)「厄払い」だったとの事です。

墨を塗るのも、魔よけの意味がある、とも言われています。

羽根は、「ムロクジ」の実に、鳥の羽根を3〜6本付けて、作られています。
      三つ羽根
私が子供のころは、金属製の「ベイゴマ」で遊びましたが、数年前、息子は「ベイブレード」というハイテク独楽に、夢中になりました。

当時、一個数百円程度の玩具でしたが、様々なギミックが仕込まれており、なかなか侮れないものでした。(実は、親の私の方が、結構ハマってしまいました。)

「ベイブレード」は、今でも大人気だそうです。

「独楽」は、平安時代に中国から伝来したと言われています。
      紐付独楽

最近、運動不足は甚だしく、腹回りも弾力が出てきたので、お正月は久々に「羽根つき」でもやってみましょうか?


羽子板や羽根は、まだ玩具屋さんに売っているのでしょうか?


そういえば、近頃めっきり見なくなったようです。


もし買うことができて、「羽根つき」できるようなら、思い切って「顔に墨」のルールも採用しましょうか。






でも、おそらく子どもたちはもう、つきあってはくれないだろうなぁ・・・。もう大きいし・・・。






22.果物の家紋



社屋横にある楓の木が、ここ数日の間に、一気にに色づきました。


急に冷え込んだからでしょう。


今年は、あまり鮮やかな紅葉(こうよう)はないものと思っていましたから、思いがけない鮮やかな赤に、季節を感じました。




日本には四季があります。


厳密な意味で言えば、どの国にも四季はあるのですが・・・。


日本は季節の差が大きく、その移り変わりは、私たちの生活に大きく影響をあたえます。


春の新緑、夏の水辺、秋の紅葉、冬の雪。


1年間、様々な美しい景色を見る事のできるのは、何とも贅沢なことだと思います。




正直言うと、私の場合、秋といえば「食欲の秋」となります。




「秋刀魚」「栗」「キノコ」(残念ながら松茸というものを我が家では見かけません。今年は豊作だと聞いたんですが・・・)


そしていろいろな種類の果物も、出回ってきます。


葡萄は今の時期、果物売り場に、いろいろな種類を見かけます。

正倉院や薬師寺などの宝物には、「葡萄唐草文様(ぶどうからくさもんよう)」という文様が見られることから、文様としての「葡萄(ぶどう)」は、古くから日本に伝わっていたようです。

果物としては、鎌倉時代に伝わったようですが、家紋して使用されたのは、形の美しさ、面白さからでしょう。

あまり実際に目にすることはありませんが、紋帳には数種類の家紋が、記載されています。
      下り葡萄
子供のころ、「柘榴は人肉の味がする」と教えられ、何とも怖い思いをしました。

それが本当かどうかはわかりませんが、「鬼子母神」が赤ん坊を食べたくなった時、仏陀が「柘榴」を与えた、と言います。

鬼子母神はその後、「子守の神」となり、柘榴紋を用いるようになります。
     柘榴(ざくろ)
秋の代表的な果物の一つ、「柿」。

18.「もう一度龍馬伝」でも書かせていただきましたが、現在家紋として使われているのは、大変珍しい家紋です。

我が家にも、柿の木があるのですが、娘に教えられて、初めて柿の花が「四弁」であることを知りました。

ちなみに我が家の柿の木は「渋柿」です。
       柿の花
橘が果物?と思われるかもしれませんが、橘は柑橘系の果実の原種と言われます。

白く咲く花も美しいのですが、家紋に使われるのは、実と葉の部分がほとんどです。

現在、「橘」と呼ばれている品種は、とても酸っぱくて食べられないそうですが、古来は食用としていたようですので、今のものとは違う品種なのかもしれません。
       枝橘

もちろん秋の果物以外にも、家紋には、様々な果実が登場します。


「古事記」には、イザナギノミコトが「桃」で悪鬼を追い払ったという話が載っています。

また、「桃」は長寿、延命の果物とも言われており、「桃太郎伝説」などから、「必勝」「幸運」の果実ともされています。

家紋には実だけのものと、葉と実の両方が描かれたものがありますが、シンプルな形ながら、一目で「桃」とわかるのが面白いです。
      葉敷き桃
「真桑瓜(まくわうり)」は、日本のメロンといったところでしょうか?

スーパーで売っているのを見かける機会も、あまりありませんが、夏の暑い盛りに、冷やして食べると、さっぱりしていて、なかなかおいしいそうです。(実は、私は食べた記憶がありません。)

家紋としては、古い時代から使用されていた記録があります。
      蔓真桑瓜
実の形が、楽器の「琵琶(びわ)」に似ているので、その名があると言います。

我が家にも木があり、毎年小ぶりの実を付けるのを、楽しみにしていますが、食べると種が大きいので、いつも少しだけ物足りない気持ちにさせられます。

端午の節句に用いられるのは、厄払いとしてだそうです。

家紋としては、使用家は少なく、珍しい家紋と言えます。
       枇杷

果樹が家紋として使用されるのは、尚美的、瑞祥的意味が大きいようです。


華麗な花々に比べると、派手さはないものの、とても身近で、何かほっとさせてくれる家紋が多いように感じます。




季節的な写真を載せようと、紅葉をデジカメで撮影していたところ、とても美しい赤富士になりました。


富士山のふもとに暮らしていても、きれいな赤富士はなかなかお目にかかれません。



西の空は、きれいな夕焼けで、風もなかったためか、何本もの飛行機雲が、ぼやけながらも残っていました。


秋の果物もいいですが、秋の夕暮れは、「ヤッパリニホンイウマレテヨカッタナ〜」と思わせてくれますね。



21.海老蔵さんと真央さん


7月29日、市川海老蔵さんと小林真央さんの結婚式と披露宴がとりおこなわれました。


芸能人も「地味婚」が多い中、1000人も集まったという披露宴は、久々にテレビをににぎわかす華やかなニュースとなっていました。


また、あまり目にする機会のない、仏式の結婚式も興味深いものでしたが、その際、海老蔵さんが来ていた紋付きの家紋が何度かテレビに映し出されました。


「杏葉牡丹」という家紋です。

「杏葉」というのは、馬につける革製や金属製のアクセサリーで、「牡丹」は言うまでもなく、はなやかで美しい花。

しかし「杏葉牡丹」という花はありません。

これはいわゆる「見立て」で、牡丹の家紋の図柄を、「杏葉風」にアレンジした家紋なのです。

「杏葉紋」は一見、「茗荷紋」に似ており、紋帳によっては「茗荷
      杏葉牡丹 紋」の項目に、記載されていますが、本来は全く別物です。
      抱き杏葉       抱き茗荷       抱き牡丹

牡丹の家紋は、関白であった「近衛家」が使用しており、「菊紋」「葵紋」「桐紋」に次いで権威があり、使用も制限されていました。


また、「近衛牡丹」は、近衛家から京都東本願寺へ、子女が何度か嫁いだことから、「真宗大谷派」の宗紋として使用されています。


市川海老蔵さんの屋号は「成田屋」と言い、その「定紋」は「三つ枡」とのことですから、「杏葉牡丹」は、海老蔵さんの本名である「堀越家」の家紋なのかもしれません。

真央さんの家紋はわかりませんでした。


でも、きれいでした。


あれだけきれいだと、家紋なんてどうでもいいです。ハイ。
    三つ入れ子枡

最近、テレビで市川海老蔵さんを見ると、フジテレビのバラエティ番組「SMAP&SMAP」に登場する「市川カニ蔵」さんを思い出してしまい・・・どちらがオリジナルか、忘れそうで・・・ウ〜ン似てます。






20.家紋と気象


私はなぜか、エアコンをつけてしまうと、「…負けた・・・」と思ってしまいます。


誰かと勝負しているわけではないのですが・・・。


ですから、家族が部屋にいないときは、なるべく網戸と扇風機に頼るようにしているのですが、さすがに蒸し暑い最近は、我が家で飼っている「長毛タイプの小型犬」が、少しでも涼しい廊下に寝そべって、時折恨めしそうにこちらをチラ見するので、「仕方ないなぁ」と犬のせいにして、「連敗か・・・」とリモコンに手を伸ばしてしまします。


梅雨というのは、苦手です。

週間天気予報を見ても、傘マークと雲マークが並んでいるばかりで、何んともすっきりしません。


家紋にも、傘はあります。

「傘」というと柄のついた「唐傘(カラカサ)」となり、「笠」となると頭にかぶる「笠」をいいます。
      三本開き傘
「唐傘」はその名の通り、大陸から渡来したものとされていますが、「かさ」の語源はいずれも「指しかけて陰にする…翳(かざ)す」からきています。

「傘紋」は、形が写実的なのにユニークな感じがして興味深いのですが、家紋として使用されているのは、圧倒的に「笠紋」の方が多く、バリエーションも豊かといえます。

また、「笠紋」の中でも多いのは、「市女笠」を写実的に描いたものと、デザイン化した「房付き笠」です。
いずれも、笹竹と組み合わされることが多いのも、特徴といえます。
      丸に房付き笠

「雨」の家紋はありませんが、「雪」はあります。


家紋としては、「雪」単体で使用されるというより、美しい外周のラインのみを他の家紋と組み合わせ、「雪輪」として使われます。

「様々な家紋」  http://www.kamon.ecweb.jp/2801.html

硬派な雰囲気な家紋でも、「雪輪」と組み合わせると、不思議に優雅な雰囲気を醸し出します。
        雪

紋帳に記載されている「雪紋」は意外にたくさんありますが、いずれも六角を基本に、美しい形をしています。


       初雪        氷柱雪        雪花

雪の結晶は古来から、自然の造形の妙を、人に感じさせたのでしょう。




家紋に登場する気象現象には、他にもあります。


       一つ雲        雲に剣        春霞
     角立て稲妻      十二日足車        旭光

雲や霞は、誰が見ても「なるほど・・・」という感じですが、「稲妻」は「?・・・」となるかもしれません。


これは、稲妻を図案化したというより、元々あった渦巻き文様を「稲妻」に見立てて名前を付けた、と解釈した方がよいでしょう。


「日足」は太陽から日光がさしている様子を図案化したもので、日本軍の旭日旗の元となりました。


「旭光」は紋帳に載ってはいますが、新しいデザインと言えます。




先ほど、「雨」の家紋はない・・・と書きましたが、「雨龍」という家紋はあります。


「雨龍」は「龍紋」に分類されています。

龍の姿を詳細に描いた「龍紋」は、多く使用されている家紋ではありませんが、家紋を書く方からすると、なかなか厄介な家紋ではあります。

何しろ、うろこを一枚ずつ書かねばならず、途中で何度も手首をプルプルさせ、首をコキコキさせながら書いていきます。

それに比べると、「雨龍」は驚くほどシンプルにデザイン化されています。
      龍の丸
龍は「水精」とされていることが多いので、雨と組み合わせることは特に違和感を感じないのですが、「雨龍」となると手足も角も、液体化してしまっており、「タテガミ」と「目鼻」がようやく、「龍」の面影を残しています。

しかし、「雨龍紋」はバリエーションも多く、大変すぐれたデザインと言えます。
      雨龍

本当は、「サッカーのワールドカップに絡めて、家紋の話ができれば・・・」と思っていたのですが・・・。


4年前に、日本代表のエンブレムについて書かせていただきましたが、今回はどうにも浮かびませんでした。


サッカー・・・蹴鞠・・・鞠挟み・・・そこから話を進めることができそうもなく、断念しました。


しかし、一次リーグ突破、ベスト16。  素晴らしい成績だと思います。ウンウンヨクヤッタ。


寝不足な日々もまた、いい思い出となりました。








19.家紋の中の「鳥たち」A


前にも書きましたが、弊社の周辺には、まだ水田が多く残っています。


5月中旬、田植えが済んで間もないころは頼りなかった苗が、日を追うごとに緑を増して、たくましくなっていきます。


そうすると、道路をのんびり横断しては、自動車の通行を妨害していたカモ達が、子供たちを連れて、水田の中を泳ぎ始めます。



水に囲まれた水田の中は、猫などにも襲われる危険のない、安全地帯なのでしょうが、子ガモ隊は、親から離れることなく、水中に顔を突っ込み、何かを探しています。


田舎ならではの、のんびりした風景です。


 


家紋に使用される鳥について、一度書かせていただきましたが、その時表題に「家紋の中の『鳥たち』@」としてしまったため、Aも書かねばなぁ・・・と思っていました。


@では、鷹紋について書かせていただきましたが、今回は「カモ」・・……とはなりません。


家紋の中に「鴨(カモ)」の名称は出てきません。

「雁金(かりがね)」は「雁(がん)」のこととされますが、同時に水鳥の総称としても使用されることが多いため、鴨は雁金紋に含まれている、と考えられます。

多くの雁金紋は、首が無く、寸詰まりで、鴨やガンが空を飛ぶ姿とはずいぶん違うようですが、これは「遠雁」(遠くを飛ぶ雁の姿)という図柄に分類されます。

これとは別に、「飛雁」(近くで見る、雁が飛ぶ自然な姿)という図
     五つ雁金車 柄もあり、これには具象的な雁の姿が描かれています。
鳥の家紋は、一羽の物だけでなく、複数の鳥が使われているものも多いのですが、それでも、向かい合わせに二羽、といったものがほとんどなのに比べ、雁紋には、三羽以上のものも、多く見られます。

また、二羽のものも、向かい合わせではなく、縦に重ねたり、丸く並べたり、バリエーション豊かです。

これはやはり、連なって飛ぶ姿が、古来の人々にも、印象的だったからでしょう。
      三羽飛雁 「遠雁」、「飛雁」のほかに、雁金紋には「結雁」があります。
「結雁」は、以前このページでも書いた、「篤姫」の登場人物、「肝付尚五郎」の家紋にも登場した、「結び雁金」のことです。

家紋における「結び」という変形の手法は、他にも「柏紋」や「釜敷紋」など、様々な家紋に使われています。

器用な日本人は、「結ぶ」のが得意で、実用的な結び方のほか、装飾的な「水引」や和服の「帯」など、複雑で優美な結び方を、考え、使用してきました。
  頭合わせ三結び雁金 「宝結び紋」や「総角(あげまき)紋」など、結びそのものが家紋となっているものもあります。
   丸に総角     宝結び    丸に結び柏 糸輪に結び四つ目   五つ結び釜敷

話を「雁金紋」に戻します。


「雁金」が家紋として使用されたのは、中国の故事に倣って、雁が、「幸せを運ぶ鳥」とされていた事、そして何より、飛ぶ姿が美しかったことが理由でしょう。


「源平盛衰記」に、土佐坊昌俊が、「二文字に雁」の旗印を使用した、との記述もあることから、歴史の古い家紋であることが分かります。


有名どころの武将でいうなら、柴田勝家が「丸に二つ雁金」を使用していますし、「真田銭」の家紋が有名な真田氏も、平和な時期には「雁金紋」を替え紋として、使用したようです。





子供のころ、「かもとり権兵衛」という童話を読みました。


詳しい内容まで覚えてはいませんが、罠にかかった99羽のカモにひきずられて、権兵衛さんが空を飛んでしまうシーンは、子供心にワクワクしたものでした。


大人になった今、それと同じ状況は遠慮しますが、パラグライダーはやってみたいなぁ・・・と思います。






18.もう一度「龍馬伝」


しばらく、新しい内容を書かなかったところ、いつの間にかゴールデンウィークに突入っ!という季節になってしまいました。


前回、新年のご挨拶から始まっているので、4か月近くも書き足していなかったことになります。


ホームページ全体としては、「家紋額」の写真を入れ替えたり(額の仕様が一部変わりました)、あちらこちらの細部を訂正したりしていたので、全く更新していなかったわけではないのですが、もっと頻繁に、内容を充実させていかなければなぁと、反省しております。


そこで、またも「龍馬伝」。

他のネタが、全くないわけではないのですが、やはりNHKの大河ドラマですから・・・。

左は、「丸に柿の花」、武市半平太の家紋です。

この家紋は、資料を元に私が描いたものですが、NHK大河ドラマ「龍馬伝」で武市が着物に付けている家紋は、もう少し中の黒い十文字が太く大きく、周りの白い部分が細めになっているようです。
 丸に柿の花(武市半平太) 柿紋を使用している家は、大変少なく、紋帳にもほとんど載ってい
ません。
紋帳に載っている「柿の花」は左のものです。

いろいろな資料を見ても、武市の家紋は左の「柿の花」とはどうも違うようなのですが、家紋の図柄としては、いまいち曖昧なのです。

おそらく、武市半平太の家紋とされているものは、武鑑に記載されているものを資料としているのだと思われます。

以前にこのホームページで取り上げた、「肝付尚五郎」(NHK大河ドラマ篤姫の登場人物)の家紋で私が頭を悩ませた一件のよう
     柿 の 花 に、武鑑に記載されている家紋は、特に下位の者について、必ず
しも、細部については正確と言えない面があります。


話が変わりますが、ドラマの中で、龍馬はついに脱藩し、江戸で勝麟太郎(勝海舟)と出会います。
そこで気なったのが、勝海舟の家紋。

ドラマの中では、着物に大きな「丸に剣花角」を付けています。

このころ、着物につける家紋の大きさは、鯨尺で直径一寸五分(約6cm)で、現代よりかなり大きめですが、それにしても、勝海
    丸に剣花角 舟の家紋はずいぶん大きく見えます。
勝海舟の家紋と言えば、一般的には「丸に剣花菱」と言われています。

実は、「篤姫」の時も。勝海舟の家紋が「丸に剣花角」でしたので、不思議に思い、NHKの方に質問してみたことがあります。

答えは、「武鑑でみると、勝海舟の家紋は、『丸に剣花菱』です。しかし、1974年の大河ドラマ『勝海舟』で、『丸に剣花角』を使用しており、それをそのまま使用しているようです。当時、なぜ丸に剣花角を使用するようになった根拠は、今ではよくわかりません。」との主旨のお話でした。
     丸に剣花菱

勝海舟は、写真も残っており、その中には紋付きを着ているものもあります。


その写真の家紋は、かなり白く飛んでしまっており、はっきりとは見えないのですが、確かに「丸に剣花角」のようにも見えます。(しかも、確かにすごく大きい!)


大河ドラマで、勝海舟の家紋に「丸に剣花角」が使われているのには、そんな背景もあるのかもしれません。




勝海舟の逸話の一つに、威臨丸でサンフランシスコに入港する際、マストに自分の家紋を掲げようとして、止められた(事実がどうかはわかりませんが・・・)、というものもあり、実は、「家紋大好き人間」だった・・・としたら家紋屋としては、応援したい気分になります。(それって、「家紋大好き人間」ではなくて、単に「自分大好き人間」なのかな・・・?)




我が家も毎週、「龍馬伝」を楽しみに見ているのですが、最近評判がよいのが、佐藤健さん演じる「岡田以蔵」。


子犬のように、武市に認められたいがため、血に手を染めていく様を見て、妻や娘は「以蔵、可哀そう・・・」と涙し、一方、大森南朋さん演じる「武市半平太」には、「だんだん悪い(人間の)顔になってきていて、感じ悪ぅ・・。」と怒り始める。


演技が上手ければ上手いほど、役者さんも大変です・・・。




岡田以蔵役の佐藤健さん、仮面ライダー電王をやっていたんですね。


以前から顔は知っていたので、ジャニーズのアイドルかと思っていました。


確かに、我が家の息子も「仮面ライダー電王」は見ており、それを見かけたときは、「今の仮面ライダー・・・バイクじゃなくて電車に乗っているのか・・・。」とショックを受けた覚えがあります。(たしかにエコだけど・・・。)




17.NHK大河ドラマ「竜馬伝」


2010年が始まりました。本年もよろしくお願いします。

毎年、年が改まると、NHKの大河ドラマに関わる家紋の話を持ってきているのですが、今年は少し悩んでしまいました。

「竜馬伝」に興味が無いわけではありません。


NHK大河ドラマ「竜馬伝」ホームページ http://www9.nhk.or.jp/ryomaden/
   組合い角に桔梗

むしろ、「坂本竜馬」という人物には、昔から大変興味がありましたし、ましてやアノ「福山雅治」が演じるとなれば、我が家の女性陣など、大盛り上がりです。






しかし、また幕末ものかぁ・・・・・・・。




「様々な家紋」のページにも、大河ドラマ関係の家紋を、毎年一覧表にしているのですが、幕末ものだと、かなりカブルのです。


そこで、今年の「竜馬伝」に関する家紋一覧はわずか6個。


しかも、「篤姫」と3個カブってる・・・・・。






実は、もっと沢山載せたかったのですが、よくわからなかった、というのが真相です。


お恥ずかしいことです。


岡田以蔵や平井収二郎の家紋も載せたかったのですが、残念ながらわかりませんでした。

どなたか、ご存知の方、お教えください。スミマセン



というわけで(ナニガ?)その他の登場人物の家紋のお話です。

右の家紋は、香川照之さん演じる、「岩崎弥太郎」の家紋「重ね三階菱」です。
   重ね三階菱
「三階菱」の場合、重なり合っている菱の境界がありませんが、この家紋の場合は、境界線が描かれているため、立体感があります。



「岩崎弥太郎」と言えば、三菱財閥(三菱グループ)の創業者です。

今、テレビに登場している、地下浪人姿でキタナイ(失礼)岩崎弥太郎からは想像できませんね。
    三つ寄せ菱
三菱グループの名称でもある社章、ロゴマークは、家紋の場合、「三つ寄せ菱」という名称で、紋帳にも載っています。

そういった意味では、世界中で最も多く目にする「家紋」といえるかもしれません。

しかしながら、家紋で「三つ菱」というと、左の家紋が一般的なものとなります。

また、他にも「三つ盛り菱」という家紋もありますが、家紋として「三つ寄せ菱」を使用している家は、「三つ菱」「三つ盛り菱」に比
     三つ菱 べると、かなり少ないと言えます。
三菱の社章「スリーダイアモンド」は、岩崎家の家紋である「重ね三階菱」と、土佐藩を治めていた山内家の家紋である「土佐柏」をアレンジしたものであると言われています。

山内家と言えば、戦国時代、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康といった人物に仕えた武将で、2006年のNHK大河ドラマ「功名が辻」の主人公、「山内一豊」の家です。


話が少しずれますが、「功名が辻」も面白かったですね。
    三つ盛り菱 一豊役は上川隆也さん、千代役は仲間由紀恵さんでした。
話を家紋に戻しますと、「重ね三階菱」と「土佐柏」をアレンジして、作られた三菱のマーク。

作られた当初は、現在のものより菱が細く、中心には「土佐柏」のように小さな丸が付いていたようです。

つまり、現在のものに比べると、より「土佐柏」の形に近いものだったと言えます。
     土佐柏

「三菱グループ」というと、「鉛筆から戦闘機までを作っている」と言われることもありますが、「三菱鉛筆」は「「三菱グループ」と、資本的、人的関係は全くないそうです。


商標が同じなのは、三菱グループがこのマークを商標登録する以前から、三菱鉛筆が使用していたためで、両社に競合する事業分野が無いため、お互いの使用に、合意しているとのことです。




ちなみに、私の愛車は三菱車で、大変気に入っております。


ありがとう、岩崎弥太郎さん。頑張れ、三菱!。





参考文献  泡坂妻夫著「家紋の話〜上絵師が語る紋章の美」新潮社、丸山浩一著「家紋由来帳」日栄出版、本田總一郎監修「新集家紋大全」梧桐書院、千鹿野茂著「日本家紋総鑑」角川書店、丹羽基二著「家紋と家系事典」講談社、加藤秀幸解説「別冊歴史読本 日本の家紋6000」新人物往来社、大隈三好著「家紋辞典」金園社、澤等監修「イラスト図解 家紋」日東書院 他(順不同、敬称略)


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